読書エッセイ

プロセスエコノミーとは何なのか?2021年の新常識にアプローチ

2021年7月28日に発売された書籍「プロセスエコノミー」(著者:尾原和啓さん 編集:箕輪厚介さん)は発売前の7月10日調べでAmazon書籍総合ランキング第1位を獲得しました。現代の新常識とも言われる「プロセスエコノミー」それは一体どういうものなのでしょう?

本記事では中田(敦彦さん)式読書術により、僕が吸収した内容をザクッと分かりやすくお伝えしたいと思います。

まず結論です。

「プロセスエコノミー」とは

プロセス自体に含まれる価値を発掘・創出して、結果からではなく衝動から発信していく活動のことです。そしてその活動自体を商品にしていきます。

つまり、

元々商品であった結果

コマーシャル素材になる

販売するためのプロセス

商品になる

という逆転現象を起こすのです。それでは詳しく解説していきます。

インサイドアウト 衝動からのスタート

プロセスエコノミーの段取り

商品を販売していく際にこれまでのスタンダードな方法は、売上や利益、目標といった結果から逆算して手法を考える、といったものでした。

おんどころたか
おんどころたか
マーケティングの世界では、アウトサイド・インというキーワードで語られます。

それに対してインサイド・アウト、つまりプロセスエコノミー的な発想を取り入れた販売方法は以下のような流れで行われます。

  1. 商品が自分の「好き」から生まれる
  2. まずコンセプトを考えて発信
  3. 発信に対する反応やコメントを参考に方向性を磨く
  4. 商品の解像度が上がっていく
  5. 商品が完成してマーケットにリリース

これによって、リリースのタイミングにおいて、一人での試行錯誤でたどりつく結果より、多くの人に受け入れられやすい状況が生まれます。

もしプロセスエコノミーの発想を取り外しからをダイレクトで行なった場合、
理解されない、興味を持たれない、といった状況が生まれる可能性が高いでしょう。

コンテンツ発信を行う際、僕はまさしくこのパターンに陥ることが多く、
リリースすること=世界に届くこと
と勘違いした結果、発信のたびにがっかりすることを繰り返してきました。

本記事を商品と仮定したプロセスエコノミーの実験

商品と仮定した本記事を多くの方に読んでいただくにはどうすれば良いか。
また、記事を読んでいただくことで書籍に興味を持ってもらうにはどうすれば良いか。

今回、実験的手法として選択したのはtwitterです。

アウトサイド・インの方法だと、

  1. 記事を書くことを決める
  2. 書籍を読了し
  3. ブログ記事を書き公開する

という流れになります。
しかしこれでは無名のブログはほぼ誰にも届かない、と考えて良いでしょう。

それに対してインサイド・アウトの手法だと、

  1. 感動を伝えたい衝動が生まれる
  2. 読了ではなく吸収のための読書を行う
  3. 読み進め、重要と思われる項目を随時ツイートしていく
  4. ブログ記事を書き公開する

という流れになります。

実際このプロセスで何が起こったのか

この実験的プロセスで起こったこと、それはtwitterのインプレッション数の増加です。前月同日と比較してみましょう。

6月30日 106回

7月30日 18,117回

なんとも目が飛び出るかと思いました。そしておまけで、

7月31日 27,592回

この増加の理由は本書の編集者である箕輪さんにリツイートしていただけたことです。書籍が多くの方に伝わることを応援した結果として、逆に応援された形になりました。そして箕輪さんから、初襲来時のサイヤ人的パワーを感じました。ありがとうございます。

この二日間のツイートで僕自身の状況が大きく変わったわけではありませんが、「人の興味を創出した」という点では成功と言って良いと思います。というか言わせてください今夜だけは。

おんどころたか
おんどころたか
だって嬉しかったんだもの

またプロセスを発信していく際、

  • Whyの価値(なぜやるのか、こだわりは何か)
  • そこに含まれる物語
  • 人間味(弱さや下手さ)

を込めることが大切だと書かれています。

このことは、毎日やること多すぎて時間が無いよ、といったお悩みの解決にも繋がるのではないでしょうか?

  • Whyが無い
  • 物語を思いつけない
  • 格好つけちゃう

これに当てはまる行動を止めれば、自分にとって本当に大切なことに時間を使えるかもしれませんね。

正解のある音楽 正解の無い音楽

本書では正解のある音楽としてオーケストラが、正解の無い音楽としてジャズが取り上げられています。しかし僕としてはオーケストラというよりはアイドル等のポピュラーソングの方が的を得ている気がします。

ポピュラーソングは、CD等で聴く音楽と、ライブ会場の音楽は臨場感や多少のアレンジの差こそあれ同じものです。対してジャズは、音源とライブがイコールになることはなく、それがゆえにライブに足を運ぶ価値があります。

同じ曲を演奏するポピュラーソングのコンサートに複数回参加する理由としては、ステージ上のアイドル等と同じ空間にいられる、という理由が大きいでしょう。対して、同じ曲を演奏するジャズやロックンロールのライブに参加する理由は、「同じライブは一つとして無い」と感じられるからだと思います。
僕が過去に行ったロックンロールのライブではギタリストがお酒の飲み過ぎでフラフラしていました。まともに弾けない曲もあったし、メンバーから叱られるシーンもありました。しかし瞬間瞬間では壮絶なグルーヴが出ていて、いいもの見れた♪と満足して帰路につきました。
ライブ会場にいるからこそ正解を超える瞬間を体験できる、それこそまさしくプロセスエコノミーの醍醐味だと思います。

本物(のような)体験 ※カッコ内がポイント

ディズニーランドのジャングルクルーズを例にプロセスエコノミーの型が紹介されています。ジャングルクルーズは冒険、ですがご存知のように本物の冒険ではなく疑似体験です。しかも、参加者がその気になればなるほど面白くなるという特徴があります。
ここで一番重要なポイントは(のような)という部分です。プロセスエコノミーのジャングルクルーズ型は

  • 「本物」であってはならず、
  • 「本物(のような)」体験であるべきなのです。

農業(のような)体験をエンターテイメントにする

僕は過去に故郷鹿児島で、体験型修学旅行の受入れ事務局をやっていました。修学旅行生が農家に民泊し、その各家庭で農業体験を行うのです。前述のジャングルクルーズと同様、ここで注意が必要なのが「本物」の農業をいきなり体験させない、ということです。
「本物(のような)」農業体験だからこそ、適度な自己実現を可能にして感動を生むのです。先生にも保護者さんにも嬉しかったこととして体験についての話をします。
これが「本物」になった途端、それは労働に変わります。しかも二度と体験したくない労働。おそらくそうなると感動の体験談だったはずのお話は、ただの苦情に変わってしまうでしょう。
それだけ農業はハードだし、アスリートと同じく日々行なっているからこそ、それにあった筋肉ができあがり対応を可能とします。

プロセスエコノミーの参加者が、エンターテイメントの裏側にあるハードさに触れすぎると「思ってたんと違うぅ」と、結果を待たず、そこから離脱してしまうのではないでしょうか?
それでは意味がありません。あくまで危険の無い場所で、あたかも一緒に進んでいるかのような体験をしてもらうことが、結果までの完走に繋がります。

価値観の変化 役に立つより意味がある

商品、コンンテンツ共にコピーされやすく、またアナログ、デジタル共に道具の性能が上がったおかげで高品質なものが作りやすくなりました。
その結果、役に立つものはナンバー1の一つで良いという現象が起こっています。本書では役に立つものの例として、コンビニエンスストアの文房具が挙げられています。考えたこともありませんでしたが、確かにハサミ、のり、定規など文房具は各コンビニに1種類ずつ。つまりそのコンビニエンスストアが選んだナンバー1のみです。
対して、誰かにとって意味がある商品、タバコなどは何十、何百という品揃えがあったりします。
音楽もまた、役に立つというより意味があるコンテンツです。一時期「売れなくなった」とされた音楽でしたが、世界の音楽市場2020年は前年比7.4%増加の216億ドル(約2兆3458億円)と6年連続で成長を続けています(国際レコード産業連盟のレポートより)。
これだけで全てを判断するわけにはいきませんが、2021年現在、意味があるものが売れる時代であることを表す一例だと思われます。

最後に本書の「はじめに」で紹介されているプロセスエコノミーの良い点を3つ紹介します。

  1. アウトプットを出す前からお金が入る可能性がある
  2. クリエイターの寂しさの解消に繋がる
  3. 長期的なファンができる可能性を増やせる

この3点、一見すると現段階で商品(コンテンツ)が売れていないクリエイターにとって、プロセスエコノミーは活用できないもののように映ります。
しかし、本書の袖の一文がそうでないことを表しており、これまで自分だけの世界で終わらせていた可能性を世に放てと言っているようです。

誰にでも、ドラマがある

分かっていたこと。でもやれなかったこと、やっていなかったことがあります。それはおそらく世間体を気にしすぎて、できなかったことです。でも、自分が思うより人は自分に関心が無いし、恥ずかしい思いなんて、そのほとんどが一人っきりの思い込み。実は誰も気にしちゃいません。弱さ、下手さもひっくるめたドラマを、今後の人生で自分だけの物にせず、世に放っていくつもりです。
結果だけでなくプロセスも一緒に楽しんでいきましょうね。レッツプロセスエコノミー♪

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる [ 尾原和啓 ]

価格:1,650円
(2021/8/2 21:55時点)

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA